ゲーム産業白書を読んでみた

読んでみたからなんだってんだよってならない為にも色々書いています




ゲーム産業白書と言えばゲームオタクがちょっと気になるゲームの売上本数について詳細に書かれた本です。

夏休みの読書感想文としてつらつらと書いていきますね。


何処で読めるか?

ゲーム産業白書は白書なんていうだけあってめっちゃ高い

紙で4万8千円!?データで9万2千円…!?

リンク:https://www.m-create.com/publishing/game.html

トップ画像でも白書が三冊…もちろん2022年の内容が書いてある白書も読みました



1冊5万円だから20万円払ったのか?国会図書館に行ったのか?

いいや違う


お近くの図書館で読みました


ありがとう都知事!!!

ちゃんと税金払ってたから図書館に入れて貰えま…嘘です、入場になんの条件もいらなかったです。

都税払っててよかった…2023年の内容が書いてあるブログ執筆次点での最新版、ゲーム産業白書2024も読めました。



合計で30万円近くもする…クソ高い税金の使い道がこんなんでええんか?

いいんです!

もしあなたが大阪府にお住まいなら府知事に感謝しましょう


あ、ここでネタバラシなんですけど「図書館検索」を使うと在庫があるか分かるのでオススメです。

ここでは東京都の図書館検索サイトを使いました。
リンク:https://crosssearch.library.metro.tokyo.lg.jp/

シンプルなUIは好きだよ


もちろん、東京都住みじゃないならカーリルでも良いです
リンク:https://calil.jp/

お役所仕事なんてよく言うけど、お役所仕事バンザイですよ

なお…図書館ではコピー機が置いてあるので必要な部分のコピーを取ってきました。自分で楽しむ分には…問題ないはず…!



ゲーム産業白書の強みとは?

読み方はわかった所でゲーム産業白書の中身の話をしていきます。

たぶんあんまり興味がない人にとってみれば

「ゲームの売上って言ったってさぁ~ファミ通ので分かるやろ~」

なんて思っているかも?


それは間違いです。いや、完全に間違いってわけじゃないんですけど…

ゲーム産業白書の強みはソフトやハードの売上をPOSシステムからのデータを元にしているためかなり正確なデータがわかり、ソフトハード以外にも周辺機器の販売状況や中古市場での販売情報も分かる所です。

また、POSシステムによる連携をしているためこのゲームを買った人の年代も収集する事が出来ます。

売れ筋ソフトはPOSシステムのデータから週ごとの購入年代層も書いて貰えます!ポイントカード会員情報はこのために…

ただ…データなしが50歳以上に集計されているのか全体で見ると50歳以上が異様に多い…高齢の方が大量にアーマードコア6を買うワケがないだろバイトくん!しっかり入力してくれ!


周辺機器ではアミーボの売上とかも分かっちゃいます。あ、PSVRの販売台数も書いてありますよ!

年度によってはトレーディングカードの販売状況も分かるとかなんとか。


ファミ通の数字は「データ協力店」からの数字を元にしているため実際の状況とブレが発生するわけなんですよね。白書ではブレが少ないのもグッド


白書では中古の販売状況も見えてくるので、中古って本数ある割に金額ベースだとそれほどでもないな…なんてわかってしまうかも!?



実際のところ販売状況は?

色々書きましたが実際の所、気になるのは読み方じゃなく書いてある内容ですよね?

しかしながらゲーム産業白書では中のデータを引用し正確に書くのはNGとのこと。まあ引用ってことにしちゃえば9万円で売ってるデータを引っ張ってこられますからね…

ですのでこれから書くのはファミ通が公開しているデータやゲーム産業白書の数値を元にこちら側で編集した数値となります。

要するに…

ここからは独自研究が含まれています!

正確な数字を知りたければ上で読み方を書いているので本家のゲーム産業白書を読んでください。


まずは概算から

数年分を読みましたが基本的に日本は携帯ゲーム機がとても強く、据え置きゲーム機の需要は少ない傾向にあります。

世界の傾向と逆なんですよね。

しかしながら、2023年ではハードウェア販売金額でPS5がswitchを追い越しました

Switchが賞味期限切れ、PS5がswitchと比べて倍以上に高いというのは置いておいて…

あっ聞きたい事は販売金額じゃ分からないから台数で、国内で出回ってる情報とどれくらい食い違うか?ですよね分かってます。


ファミ通のデータではこのようになっています
リンク:https://www.famitsu.com/news/202401/12330808.html

Switch(通常版、ライト、有機EL版を足したもの)

推定年間販売台数:4,062,609
推定累計販売台数:31,786,656


PS5(通常版、デジタル版を足したもの)

推定年間販売台数:2,587,468
推定累計販売台数:4,964,857


Xbox Series X|S

推定年間販売台数:141,712
推定累計販売台数:540,107


PS4(Proを含む)

推定年間販売台数:73,292
推定累計販売台数:9,491,059


白書ではPS4Proを除いた数が表示されていました。まぁ集計方法の違いもあり各ゲーム機で数万のブレがありますがゲーム産業白書とおおむねあっています。

xbox以外は


なんかXboxがやけに多いんですよね…

ファミ通では累計54万、一年間で14万増となっていますが

ゲーム産業白書では累計28万、一年間で7万増となっています

ファミ通がデータ協力店からの自己申告という事も有ってXboxの販売台数を多めに報告しているお店がある模様。それかPOSシステムの外で20万台以上売れてるカモ!?そんなわけあるかい


何故こんな事が起きるのか…?Xboxには人生をかけて推しているコアなファンが多く、ゲーム販売店を開いたXboxファンもいるのだとか。

ヨドバシカメラではXbox同好会があるとかなんとか。

360の累計は160万台だから最終的には部に昇格した?


前世代機のXboxOneが累計10万台弱(Oneのみ、2014年~23年の数字)で他にはPSPgoが3年間で、PSVITA TVが2年間で18万台ほどなので、少ないとファンの心境的によろしくないというのはあるのでしょうが…ちょっとやりすぎですね…


ハードウェアの販売状況を書いたので…周辺機器の販売状況を書きますね。

日本におけるPSVR本体の売上は約70万台とのこと。(2016年10月~23年1月1日まで)

そしてPSVR2は7万台ほどで現時点では9割減とかなり少ないです(2023年2月~24年1月1日まで)

個人的にはPSVR1は50万台を越えているだなんてそれなりに需要はあったのか…そしてPSVR1があんな有り様だったのに互換もなく高いPSVR2は残当…という感想。

外部サイトでは2022年度のVRゴーグル販売台数は48万台という調査結果もあるのでVR機器は毎年300万台とか売れる市場じゃないって感じかな…
リンク:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=600


ハードウェア販売台数だけでなくソフトウェアの販売本数も書いていきます。

パッケージソフトウェアの販売状況は基本的にSwitchの任天堂がトップです。それは2023年も変わらず。

23年はティアキンがトップでマリオワンダーが2位です。

そこは先ほど取り上げたファミ通のデータと同じですね。
リンク:https://www.famitsu.com/news/202401/12330808.html


しかしながら、ゲーム産業白書はファミ通と大きく違う点があります。

まずファミ通では一緒になっていた「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」がそれぞれ分かれています。5:4でバイオレットのほうが人気なのは…意外…

そしてswitch版マインクラフトがランクインしています。

そうなんです。日本マイクロソフトのswitch版マインクラフトは毎年50万本近くのセールスを記録しており今年もランクインした形になります。

そして実は…あのファイナルなタイトルが…!

そうなんです。
FF16は年間パッケージ販売本数トップ10入りを果たしています

FF16めちゃくちゃ売れてるやんけ…初週40万累計は50万本越えな上に2023年の販売本数ランキング10位位内スクエニ内では2023年でトップだってよ。

というよりファミ通集計だとドラクエモンスターズ3が多く集計されすぎだな…10%も多いです。ダウンロードカード分の予想値が計上されているとか?

FF16なんてファミ通じゃ見なかったんだが?って人もランキング外でめっちゃ売れてるという認識でOKです。あと新品価格も中古価格に引っ張られて値崩れしていたので買いやすかった部分もあるのではないかと。


ただ、FF16についてはYouTubeだと「率直な意見という名のネガキャン動画」が溢れています。

FF16は白書のピックアップソフトに選ばれており販売状況では動画のあおりを受けてか「発売後に急ブレーキ、中古価格が下落した」のような記載も。これは完全にネガキャン動画のせいですね…

しっかしパッケージのみで50万本の売上があっても売れてない扱いかぁ…PS5の装着率で考えると10%超えてるんだけど…

まあ2023年全体を通してパッケージソフトのうち10万本以上売れてるのは40本ほど、1万本以上売れてるは250本ほどしかないという事を考えるとFF16は十二分に売れてると思いますけどねぇ…


あと誤植なのか分かりませんが「Minecraft Legends」の販売元がPS5版だけバンナムになってます。xbox版、Switch版は日本マイクロソフトが販売しています。

誤植…ですよ…ね…?誤植じゃないとMojang買収の時にした機種による差を作らない話から逸脱してるって事になる…んじゃ…?



パッケージの販売本数は本当に重要か?

ゲーム産業白書の話はここまで、ここからは私見を書きます。

色々と書いておいてなんなんですがバッサリ切っちゃうと思います。


正直なところ…

 ゲームパッケージのみのセールス状況はあまり意味をなさない状態にあります

現にゲーム産業白書の会社、メディアクリエイトが各プラットフォーマーから提供されている金額ではダウンロード版の金額が年々増えている様子が記載されています。

あと…ゲームのパッケージのセールスだけでゲームを語ろうとするとsteamは存在しない事になるからね…


Steamのみなのに2週間で1200万本のパルワールドがひっくり返した印象があります


もちろんこの1200万はグローバルでの数字なんですけど…
日本の割合が10%でも120万本とミリオンセラー、5%でも60万本と販売ペースではドラクエモンスターズ3を越えます。ドラクエ越えかぁ…


それにスイカゲームに関しての売上はぶっちゃけバケモノです。600万本を越えているとか。
リンク:https://www.famitsu.com/news/202402/19334987.html

そしてswitch+iOSでは890万本を超えたのだとか

リンク:https://www.famitsu.com/news/202404/11339082.html

まぁこれは240円という超低価格だからということもありますが…


他にも…ゲームのパッケージソフトの集計と実際の販売数には乖離が見られます。

例えば地球防衛軍6は2023年12月時点で39万本の売上があるのだとか。
リンク:https://gamemakers.jp/article/2023_12_27_58026/

地球防衛軍6のパッケージセールス初年は合計15万本

PS4版が11万本
PS5版が4万本
(2022年8月25日発売~2023年1月1日まで)

そして2023年ではプラス2万で累計17万本

PS4版が12万本
PS5版が5万本
(2023年1月1日~2024年1月1日まで)

と39万には届いていない。

そして24年5月の発表でEDF6の販売本数はSteam版の発表段階で40万本越えとのこと
リンク:https://www.4gamer.net/games/746/G074620/20240501023/

EDF6は半数以上がダウンロード版ってことに。まあ…プレオーダー値引きやってたし特典ついてたしなぁ…


また風来のシレン6では国内累計出荷数が20万本を突破したと発表しました。これは本シリーズ史上最速の記録であるという。
リンク:https://www.4gamer.net/games/738/G073898/20240206039/

また、その際のファミ通週販では10万本だったので風来のシレン6購入者のうち半分がダウンロード版となることに。


過去取り扱った記事でもベヨネッタ3はパッケージ版よりダウンロード版の方が多い事になっています。
リンク:https://silentzzvoice.blogspot.com/2024/02/Comparing-FF16-To-Palworld-Is-Nonsense.html


日本では超人気でインターネットミームや(無許可な)コミカライズなど色々と話題に事欠かない「アーマードコア6」も26万本を売り上げた前作「アーマードコア5」と比較するとパッケージ販売本数は減少して22万本。

しかしながら決算資料から判明したアーマードコア6の国内販売本数は70万本を突破
リンク:https://news.denfaminicogamer.jp/news/2311022b

アーマードコア6プレイヤーのうちパッケージ購入者が占める割合は三分の一未満になってしまいました。パッケージ版購入者はPS5版の方が多いのが唯一の救いか…?

アーマード・コア6はPS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、Steamで販売されてるからパッケージ版がある方が珍しいかもしれな…


えっAC6ってSteam版もパッケージあるの!?!?!?
リンク:https://www.armoredcore.net/product.html

上記のソフト、僕は全部パッケージ版を購入しましたが、世の中では既に半数以上がダウンロード版を選択しています。


そんなこともありゲームを買うならダウンロード版という選択肢はだいぶ広まってきたという肌感覚はあります。

PSP Goは間違ってなかったってコト!?


任天堂のソフトならカタログチケットが、それ以外のメーカーならダウンロード版のセールも存在感があります。

PSストアでは一万円分のカードを買うと千円もらえるイベントも定期的にやってます。

あと少しで終わるよ

リンク:https://vdpro.jp/sej.pss25/

これ任天堂のeShopはやらなくなっちゃったよね…グッズも買えるから?


パッケージだとある程度の需要があって小売りからリピートが掛からないと利益にならないけどダウンロード版なら少数でも販売出来ます。


そして昨今ではサブスクの存在もありゲームソフトのビジネスは初週、初年度だけでは終わらないと言えます。

このブログでもXboxGamePassを取り上げた事がありますね
リンク:https://silentzzvoice.blogspot.com/2024/02/Impressions-After-Years-Of-Using-XGP.html


また、メーカーとしてはダウンロード販売数と小売店へ渡した数「セルイン」で利益が確定するので、この記事で取り扱ってきた販売本数こと「セルスルー/セルアウト」の数字だけではあまり意味が無いんですよね。


あと…パッケージ版だけの数字で会話をするとxboxの立つ瀬が無いですからね…年間パッケージ販売ランキングのうち5位以降は100本を切るとか…


なので日本のパッケージのソフト販売状況のみでゲームソフトの規模を語る意義は薄いと言えます。


日本でも海外でも人気(なはず)の「Call of Duty Modern Warfare3」は二機種で5万本だったりとパッケージだけ見るとめっちゃ少ない。

それもそのはず。実は日本でのセールスがかなり下がっており、とあるPS4のソフト販売状況を記した資料では日本含むアジアでのセールスシェアは10%〜20%となっています。

例えばSIEJA和ゲーのBloodborne(2015年〜2020年)やデス・ストランディング(2019年〜2020年、DC版を除く)ですらアジアは20%、アメリカが40%、ヨーロッパが40%なんてことも。


なお、アジア、アメリカ、ヨーロッパと書きましたが細かく以下のように分かれています

SIEJA(日本や台湾などアジア)
香港、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイ


SIEA(アメリカとカナダ)
アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、メキシコ、アメリカ


SIEE(イギリス+EU+オーストラリア)
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、ニュージーランド、ポーランド、イギリス


日本国内でSwitchがあんなに売れている任天堂ですら海外比率が80%なんだとか。


リンク:https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2024/qa2406.pdf

Switchの場合は日本語ロムにも中文やロシア語が入っていてインバウンド需要も狙ってる?からなおさら海外比率は高め

なんで入ってるんだ…?

インターネットではサラッと海外とか国外とか言いますが日本以外って書くとめっちゃ国ありますからね…



パッケージは今後なくなる?

これもバッサリと書いてしまおうかと。

ダウンロード版が主流になる流れは止められないと思います。

コレクション目的以外のゲームソフトパッケージはいずれ無くなっていくのではないかと思います。

実際にアランウェイク2ではパッケージを廃止した結果、コスト減が見込めたりゲームをブラッシュアップするための時間をより多く確保できたと報告が。
リンク:https://www.gamespark.jp/article/2023/06/27/131579.html

そしてコレクター用に後々パッケージ版を出すのだとか
リンク:https://www.alanwake.com/story/lets-get-physical-with-alan-wake-2-this-fall/


また前の項目で書いたの通り、パッケージではある程度の需要がない限りリピートはかかりませんが、ダウンロード版ならその心配はありません。

前の項目と繰り返しになりますが、ゲーム産業白書の14ページ目にある通りダウンロード版の販売金額がパッケージ版の販売金額と比較しても無視できないほど大きくなっています。

集計が始まった2013年から比較してもかなり大きい状態にあります。


ダウンロード版でのみ販売したswitch版バイオハザード6が100万本に行ったなんてニュースもありました。
リンク:https://automaton-media.com/articles/newsjp/20240528-295120/

これパッケージ版はバイオハザードトリプルパックとして売ってて日本では累計10万本くらいあるんだけど…ワールドワイドでの話なんで。


パッケージは無くなるだろう、という世の流れに反してダウンロード版が主流になるのは個人的には反対です。

物理的に触れるパッケージ版を手に取る事でゲームの所有欲を満たしたい。これがメインの気持ちになります。

僕の気持ち以外にも…ゲームソフトパッケージはパッケージデザインをするメーカー、プレスをする工場、流通や問屋、小売りの方々など様々な人が関わって作成されています。

ゲームの販売店ではハードウェアの売上は利益が少ないからパッケージソフトやグッズの売上が重要なんだとか。

多くの人が関わるものは残したいじゃないですか

あと…なくなると関わってた人々が路頭に迷うというか…それはないか…?


そんな僕の気持ちはヨソにダウンロードが主流になるのは止められないとは思っています。

僕もダウンロード版使います…便利だし…

Steamとかダウンロードしかない筆頭だしね

気持ちは気持ち。世の中の流れとは別。


ただ、それでもゲームソフトのパッケージというのは抗いがたい魅力があります

集めたいし飾りたいよね…

維新やジャッジアイズも持ってきてPS4で統一した方がキレイだったかも…

ゲームソフトパッケージコレクターとしてはこれからもパッケージを作ってもらいたいところ…

あと…ダウンロード版だと積みゲーの状況が分からなくなってですね…



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