「コナミはゲーム嫌い」という言葉について解説&思う事

まず最初はコナミ関連ツイートの言い訳をさせてください…

言い訳となるツイートはコレ


ツイートの経緯

2022年のTGSでKONAMIが発表した新作ゲームタイトル
幻想水滸伝 I&II HDリマスター
に関するもの




この水滸伝リマスターは個人的にどうなの?と思っています。


発表する生放送での謳い文句が「世界中が待ち望んでいたシリーズの新作」という割にPS1に出たゲームのリマスター(リメイク)で新作じゃないやん!というツッコミはさておいて。


まず…要求仕様を見てください。


OS: Windows 10 (64-bit OS required)
プロセッサー: Intel Core i5-4440 3.30Ghz
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 1050
DirectX: Version 11
ストレージ: 16 GB 利用可能
サウンドカード: DirectX 11 compatible sound card
追記事項: XInput Controller required

最低これって…失礼かもなんですけど…PS1に出たゲームのリマスターですよね?

要求されているスペックが高くないですか?


僕の環境だと母艦PCなら要求スペックは余裕でクリアしていますがこの前記事をだしたAYANEOでは結構ギリギリ
リンク:https://silentzzvoice.blogspot.com/2022/07/HowToInstallHoloisoOnAyaneo.html

Steam Deckにも同じ事が言えるのですが要求スペックはバッテリーの稼働時間に直結するので無意味にスペックを要求をしないで頂きたい…



あと、switchへ移植するんでしょ?ストレージ16GBやメモリ8Gはとりすぎでは?オブジェクトが少なかったとは言え3Dバリバリのモンハンストーリーズ2がメモリ4G要求なんで…


Xinputを要求している点もSteamDeck(Linux)への対応面でマイナス…
LinuxはWindowsには普通に提供されているAPIのほとんどが提供されておらず、そのためSteamの機能でDirectinputをXinputに変換するレイヤーがあるのですがこれは入力遅延の元…
2023年にリリースするゲームにXinputを要求するだなんて本当は開発機の環境なのでは?と思ったのですが、同じコナミのGetsuFumaDen: Undying MoonもXinputを要求しているあたり社風なのかもしれません。

GetsuFumaDen: Undying Moonのシステム要件

OS: Windows 10 (64-bit OS required)
プロセッサー: Intel Core i5-4440 AMD Athlon 300GE
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 1050 Radeon RX 560
DirectX: Version 11
ネットワーク: ブロードバンドインターネット接続
ストレージ: 4 GB 利用可能
サウンドカード: DirectX 11 compatible sound card
追記事項: XInput Controller required

そういえばこのゲームは背景をリアルタイム3Dにして葛飾北斎のような絵柄にすることに全力だったはず…似た要求スペックの幻想水滸伝HDリマスターは背景がバリバリ動くって事?


また、このシステム要件は他のゲームと比べても気持ち高め



やっぱり同じRPGの龍が如く7と比べても要求しているシステム要件はやっぱり高いよ…

龍が如く7のシステム要件はこんな感じ

OS: Windows 10
プロセッサー: Intel Core i5-3470 | AMD FX-8350
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: Nvidia GeForce GTX 660, 2 GB | AMD Radeon HD 7870, 2 GB
ストレージ: 40 GB 利用可能
追記事項: Requires a CPU which supports the AVX and SSE4.2 instruction set

幻想水滸伝HDリマスターはGTX 1050を要求しています。失礼かもなんですがこのドット絵のどこら辺にGPUの性能を要求しているんでしょうか…?

そんなこともあり、つい「コナミのゲーム開発力がおちたね」というツイートをしてしまいました。

ゲームの最適化に予算を割けるのもゲーム開発力だと思いますよ



僕は僕の環境へ向かい風だったため苦言ツイートをしましたが他の人は色々な理由で叩いていました。生放送中でもコナミはめっちゃ叩かれていましたよ…ちょっと異常なくらい…

まぁ叩きに歴史あり。
何故こんなにもコナミが叩かれるようになったのか経緯を少し書きます…


コジマショック

最早、語られつくした感あるこの言葉、今更説明の必要はないと思いますがもう5年以上前の話なので軽く説明を…


PS3/360世代でのコナミは「コストを掛けてゲームを作りこんで狭い層へ売りだす」というビジネスモデルだったので作り込みが刺さった狭い層ことゲームファンからは好評でしたが、刺さらなかった場合は時間をかけた割に利益が出ず博打のようで株主からはぶっちゃけ嫌われていました。
株主が欲している事って株価が必ず上がる事配当金が必ず入ってくる事ですからね。

そんな中スマートフォン向けアプリ「城とドラゴン」の成功を見て新たに就任した経営陣が提示した「コストを掛け過ぎずゲームを作り広く売りだす」というビジネスモデルへ方向転換したところ新たなビジネスモデルとあわず「とある大物ゲームクリエイター」が退職してしまった

という話がきっかけです。

大物ゲームクリエイター…いったいなにものなんだ…

まあ、会社とやりたい事との折り合いがつかなくなるのはよくある話です。問題はこの後…


コナミは退職した人へ報復を行うという伝統があったのですが(イカれた伝統芸だな)元副社長といった大物にも伝統にのっとり報復を行った結果コナミが攻撃されるようになった、というわけです。


報復と言ったってせいぜい以下の程度でありそんな目くじらを立てるほどのものですか?

・退職した社員の転職先ゲーム会社に圧力をかける(転職サイトでの話、要出典)
・退職した社員が受賞するはずのGOTY授賞式の参加を阻止する(出典:https://www.gamespot.com/articles/blocked-from-attending-last-year-hideo-kojima-to-r/1100-6445534/)
・退職した社員が新たに起こした会社に保険を適用させない(出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO17452960Y7A600C1000000/)

目くじらを立てるべきですね…


そんな事をしたため、コナミは叩かれるようになってしまったわけです。



じゃあ小島秀夫に近い人々は全員退職してしまったの?と言われるとそうでもなく

旧小島プロダクションに在籍していた岡村憲明 氏(担当ゲーム メタルギアソリッド ポータブル・オプス)や是角有二 氏(担当ゲーム メタルギア ライジング リベンジェンス)はコジマショック以降もコナミに在籍しており、ゲーム制作に携わっていました。


両名のメディア露出
リンク:https://www.4gamer.net/games/000/G000000/20121218003/index_4.html


岡村氏 
リンク:https://awards.cesa.or.jp/2017/ceremony/ceremony_06.html


是角氏
https://dengekionline.com/elem/000/001/649/1649034/




岡村さん!桃鉄販売350万本(執筆当時)おめでとうございます!
こういうツイートは置いておいて350万本ってめったにできることではないので素直にすごいと思います。

コナミにもブランド力は残っています!


ただ、そんなブランド力を揺るがす事件が起きてしまいました。


ウイイレエンジンの話

端的に言えばウイイレ2021(eFootball)のクオリティが低く炎上をしました。


2023になっても基本的に不評ですね…



不評の理由は既存のウイイレエンジンからアンリアルエンジンに乗り換えた所、素材の引継ぎやコンテンツ量の確保、各調整がうまくが出来ずクオリティが極端に落ちてユーザーから不評を買ってしまった話です。


何故ウイイレエンジンからアンリアルエンジンへ移行する必要が出たのでしょうか?

これはあくまでも噂ですが…

ウイイレエンジンのベースとなったFOXエンジンの対応ハードが「PS3・PS4・360・Oneおよび2012年のゲーミングPC」のため最新ハードに対応できず、上で書いたコジマショックの際にFOXエンジンを作ったコジマプロダクションLAは閉鎖となっておりゲームエンジンに関わったクリエイターも退職。

その結果誰もゲームエンジンを保守(プログラムに新しく機能を追加したりバグを直したり最新の環境に対応させること)できなかったので無理やりアンリアルエンジンへ移行したのではないか?と言われています。

コナミはコンスタントにゲームを出せているのになぜウイイレだけそんなことに?それは次の項目へ


コナミと外注の話

気づいていないかもしれませんが、最近コナミがリリースするCS向けゲームは外注(コナミや子会社以外が開発しコナミがプロデュース・販売すること)が多いです。


スーパーボンバーマンR:ヘキサドライブ
メタルギアサヴァイブ:内製?不明
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS M∀RS:KONAMIとCygamesの共同開発
コントラローグコープス:(株)トイロジック
桃太郎電鉄  ~昭和 (略):(株)インファイト
GetsuFumaDen:Undying Moon:(株)ぐるぐる
Castlevania Anniversary Collection などのリマスター:有限会社エムツー


なのでFOXエンジンやウイイレエンジンのようなコナミ内製ツールを使わなくともゲームソフトをリリース出来たわけです。
ウイイレエンジンからアンリアルエンジンへの移行の際に問題が起きてしまったという訳なんですね。

ただ、ゲーム開発の外注については他社でも行われているのでFOXエンジンの話は置いておいてビジネスの面で外部の会社と協力するは間違っていません。

リンク:https://silentzzvoice.blogspot.com/2022/09/SdGBAIsWorthaTry.html


また、開発力の低下を指摘されたのか、ゲームクリエイターを募集するなどコナミ自社の開発力の改善に取り組んでいるようです。




ここから本題(屁理屈多め)

コナミがなぜ叩かれるようになったかを書いてきました。

そしていつからか「コナミはゲームが嫌いだからこのような行動をしている」と言われるようになっていました。


ただ、インターネットネガキャンで言われる「コナミはゲームが嫌い」と言わないでほしいと思っています。

この「コナミのゲーム嫌い」は2014年あたりに言われた話です。


ゲームが売れないと厳しいが売れるとドーンと利益が出るという波が有る状態だったゲーム事業の他にフィットネス事業を持った際に「我々はゲーム以外の収益の柱を得た」という経営陣の発言
当時から嫌われていたマイクロトランザクション(少額課金の事。セーブデータへの課金やリアルタイムでの待機時間を短縮するために導入された)の導入をした為、「ゲーム嫌い」と言われていた話です。


メタルギアの小島秀夫 氏や悪魔城ドラキュラのIGA 氏など大物ゲームクリエイターが相次いで退職した件と組み合わせてこの話は長い事燃えていました。

コナミのゲーム嫌いについてコナミサイドは否定しましたが一部の人間は聞かず最近のNFTに参入する話にも紐づけてコナミはゲーム嫌いだという話をしていました。


ゴタゴタから月日が流れ今は2022年、小学生も卒業するくらい昔です。内部に居る社員も変わっています。

マイクロトランザクションはゲームの切り売りでありユーザーの体験を損ねるカス要素なんですけど悲しいかな収益性が高いから様々なメーカーが導入するようになってしまいました。

なのでマイクロトランザクションが有るからと言ってゲームが嫌いではありません

会社の意向が社員全員の意向になるのも正直言って微妙です。

もう一度言います。2022年の今にもなって「コナミはゲームが嫌い」と言わないでほしい。


まぁ、個人的にはゲームが嫌いでも問題がないと思っています
ゲーム会社に勤めてるのにゲームが嫌いなのかよ!と言われてしまうのかもですが…


自分に置き換えて考えてください
仕事が大好き!休日返上してでも働きたい!
って人がいたら神経を疑いませんか?

(プログラミングの世界では仕事のプログラミングの間に趣味のプログラミングをするような人が高給取りになるので当てはまらない場合もあります)

働いてなくてイメージ出来ない場合は…すいません…


また、ゲーム業界ではゲームが嫌いと広言をするクリエイターはちらほら居ます
モンスターストライクの岡本氏もその一人です
ゲリパブの岡ちゃんといえば色々と伝わりやすいのではないでしょうか
リンク:https://games.app-liv.jp/archives/319994

岡本氏はゲームにのめり込んでしまうためゲームから距離を置くためにゲームが嫌いと広言しています


好きこそものの上手なれ、なんて言われますが好きを仕事にすると好きなだけでは見えてこなかったしんどい部分が見えてくるようになるため個人的にはゲームが嫌いでもいいんじゃないかと思ったりします

とあるレジェンド級ゲームクリエイターも

「何故ゲームを作るかの?」回答として「ゲームが好き」であることは一番じゃないと語っています


遊ぶ側の僕はゲームが好きなので作る側の人もゲームが好きであって欲しいですけどね


僕個人の話をもうちょっとしますと…コジマショック以降でもなんだかんだコナミのゲームは遊んでいることが多いと思います


メタルギアサヴァイブ

コントラ

パワプロ2020

パワプロ2022


確かにクオリティーは保証されているとは言えませんが遊べない事も無いです。


2022年以降はプレイステーション5やXbox Series S|Xも本格的に稼働、XboxゲームパスやPSPlusなどのサブスクリプションサービス、SteamDeckのような携帯ゲーミングPC、Steamに次ぐ勢力であるEpic、などなど…コンソール/PCふくめゲーム市場がまた盛り上がりを見せます

その時にコナミがいないのは…少し寂しいね…


このブログらしくアーケードゲームの話をするならば新生BBHこと「BASEBALL COLLECTION」の稼働店舗が増え対戦が盛り上がるくらい人が増えると良いなぁと思います。

現状だとBASEBALL COLLECTIONは絆2を上回るくらい厳しいです。


コナミにも良いものはあるはずなのでうまい事やっていってもらいたい、と思う夏でした。


やっぱり世界中が待ち望んでいた新作と聞いてサイレントヒルやメタルギアソリッドシリーズについて夢を見ていたファンが多かったんじゃないですか?


僕はがんばれゴエモンに夢を見ていました


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