何故Cyberpunk 2077の1.61パッチが炎上したのか解説

 この記事を書くのは本当は本意ではないのですが…

こんな炎上の仕方をしているなら書かざるを得ないじゃないですか…

公式サイトより



注意

普通の人は概要だけ読んでください。


概要

2022年11月8日に配信されたCyberpunk 2077のバージョン1.61のパッチが炎上しました
リンク:https://www.cyberpunk.net/ja/news/46426





1.61パッチはいわゆるFSR2.1対応パッチでした。



FSRとは?

FidelityFX Super Resolutionの略
AMD社が提供しているアップスケーリング技術


FSRはOS、GPU性能関係なく使用できる
FSR2はPS5も対象に

右下のやつ


FidelityFXというツールの中のSuper ResolutionなのでFSRなんですね。
リンク:https://www.amd.com/ja/technologies/radeon-software-fidelityfx


似た機能としてDLSSがあります。

DLSSは Deep Learning Super Samplingの略
nVIDIA社が提供しているアップスケーリング技術

nVIDIA社が販売しているRTXシリーズのグラボに搭載されているTensor Coreが無いとDLSSを使用出来ない所がFSRとの違いとなっています。



FSRを持つFidelityFXというツールはRDNAアーキテクチャを採用しているゲームに組み込む事が出来ます


RDNAとは?

GPUマイクロアーキテクチャのこと
次世代と言われている映像表現のまとめ

ただRDNAを採用していればいいのではなくRDNAの世代によって出来る事が異なる




リンク:https://www.amd.com/ja/technologies/rdna


だいぶ話がそれました



このRDNA2の世代であるFSR2.1対応をしたCyberpunk 2077のパッチが悪く言うと炎上しました。


炎上した理由はこの下から書きますが一つ注意事項が…

ここから下はコンソールウォーに関する情報を取り扱っており、不快になる表現が含まれています。

要するに?

ここから下の内容は全部ゴミです




何故炎上した?

なぜと言われるとこれしかないのが困るのですが…

PS5がFSR2.1対応をしたからです



何故対応をすると炎上?

PS5はRDNAじゃないからFSR2.0は対応できないと一部から言われていました


PS5はRDNAじゃないの?

正確に言うとそうです。

2019年でのRDNAは動作要件にWindowsであること(DirectXAPIが動作すること)が要求されています。

もちろん後々互換機能としてDirectXAPIが読み込めなくとも機能を使えるように移植されはしましたが、それはWindowsより遅れての実装でした。

例:WindowsでのDirectXレイトレーシングは2018年10月に一般公開、Linuxで用いられるVulkanレイトレーシングは2020年4月に公開
リンク1:https://en.wikipedia.org/wiki/DirectX_Raytracing
リンク2:https://www.4gamer.net/games/293/G029343/20200417095/


なのでPS5開発のタイミング(発売が2020年11月12日なのでそれより前)で色々と間に合っておらず可変フレームレート(VRR)等をSIE自前で実装した影響でPS5はRDNA"ベース"という表記になりました。RDNA認証を取っていないんですよね。

なので正確にはRDNA2ではないという状態になります

ただ、RDNA2相当の技術はたいてい出来ており、目に見えるものではレイトレーシングが対応済みです



上のような背景があり一部過激なユーザーによる「PS5はRDNAじゃない!だからレイトレーシングやFSRを使えない!」という通説がまかり通ってました

PS5と同時に発売されたソフトでレイトレーシングは使用出来た為、レイトレーシングだけは出来るRDNA1.5なんて言われていました


ところが…

今回配信されたCyberpunk 2077の1.61パッチがPS5でのFSR2.1を実装した為、それが妄言だった、ということに…


今度はこのパッチノートを叩き棒にして「今まで妄言を振りまいてきた人々」へ復讐をしていると言った訳です。人は争いを繰り返す…


PS5に対して言われた暴言はこんな感じ…


「スパイダーマンリマスタードやラチェットアンドクランクにFSRが入って無い!PS5がRDNAじゃないからだ!」

これはファーストパーティが用意したPS5のゲームはPS5で遊ぶためにチューニングをしているのであって性能の足りないGPUで遊ぶ事は想定されていないからですね…


ここからは日本語で言われた内容も…


「PS5はRDNAベース!PS5はRDNAじゃない!」
発言のリンク:https://twitter.com/28784035/status/1436616133122015232


確かに名前はそうですね、動作要件から外れる実装をしてRDNAの認証を取っていないので…

ただ、レイトレーシングは使えるし今回分かった通りFSR2.1も使える。RDNA2の目玉機能である「Infinity Cache」は現行ではPS5、Xbox Series Xともに使えませんね…

リンク:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1306550.html



PS5はVRSもDLSSを使えない!
発言のリンク:https://twitter.com/25654511/status/1587951993066205184


上記の通りRDNAの機能はSIE自前で用意しました。MicrosoftがDirectXをWindowsOS以外へまともに提供していないからです。

FSRは今回のパッチで使用出来る事が分かりました。それにPS5はAMDのマシンなのでDLSSは使えないですね…



と言った具合に一部の過激なプレイステーションアンチによるPS5への攻撃がFSR対応だったという訳です。


なおFSRはニンテンドースイッチのゲームにも採用されています
リンク:https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220818-215020/

スプラ3でロビーに入った時にガクっと読み込みが入ると思います…アレです


グラフィックに関する技術でswitchで出来るんだから後発のPS5で出来ないわけは無いですよね?



終わりに


個人的に思う事は、コンソールゲーム機のアーキテクチャについてはブラックボックスな所が多くメーカーでないと、もしくはメーカーですら分からない箇所が多く存在すると思っています。

そういった状況にも関わらず外野からどうのこうの言ってプロダクトの揚げ足を取り続けるのは如何なものか?と思います。



また、FSR対応はハードウェアへの最適化不足ともとらえられるので、個人的にはあった方が良いとは思いますが積極的にFSRを採用するというのは…あまり感心しませんね…


コンソールは1年後、5年後、10年後を見越して話さないといけないあたり難しい内容であると思います。僕だったら上で取り上げたようなネガティブな発言はあんまりしません…多分探してもPS4発売の2014年より前とかじゃないでしょうか。


上記のような過激な人々は訂正などを受け入れずエコーチェンバーにより精鋭化している状態であると判断できます。

ああいった過激な人々だけを見てすべてを知った気になるのは危険であると強く訴えていきます


自分で判断することだ…直接自分で行って自分の目と耳で知りたい




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